500文字の心臓

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【選評】魚と眠る - たなか

2018/05/14 (Mon) 18:37:15

たなかです。
選評久しぶりなうえに、遅刻です。すみません……
がっつり読ませる体の作品が並んでいて、とても読みごたえがありました。
ただ、短さを生かすアプローチとしては、もっと他にいろいろな書きようがあるんじゃないかなと、
我が身とともに振り返ってみたりもしました。
500 文字以内という制限があるからこその作品ってどういうのなんでしょうね。
実に実に今さらなのですが……
選評です。よろしくお願いいたします。


△魚と眠る2
>  私の部屋には空っぽの水槽がある。なかに魚はおらず水も張られていない、空っぽの詰

「私」と「父」の関係と生活とが見事に水槽の描出で浮き彫りにされており、
この文字数の作品の構成としてはパーフェクトなんじゃないかと思いました。
だからこそ、そこを崩す何かが欲しいと思ってしまう我が儘。次点でお願いいたします。


×魚と眠る3
> 暑苦しい夜に、寝袋型冷凍マグロ。

一発芸としての勝負でしょうか。
潔さに拍手ですが、涼しそうでいいなと思うには季節がまだ暑さから遠いかな。
そしてそれ以上に、物語としてはこれでは足りないと思いました。逆選でお願いします。


○魚と眠る17
>  私が産んだのはハタハタだった。ハタハタはヒトの赤ん坊と違って乳を飲まない。

これは意表をつかれました。ハタハタを赤ん坊として扱う様が丁寧に描いてあって、
そんなことが実現するわけがないのに、ふむふむなるほどと読んでしまう。
「眠る」の料理の仕方も、なるほどな展開でした。正選でお願いします。


○魚と眠る18
>  老人の釣り糸の仕掛けは滑稽な形をしていた。掌に似たそれを海に投げ入れると老

エピソードがひとつひとつ進むたびに、息を凝らしながら、
このあとどうなるのだろうと待ち構える、そんな読み方をさせられました。
そして、最後の休息のエンディングで深く息を吐く。堪能しました。正選でお願いします。


△魚と眠る19
>  私が魚に誘拐されたのは小学二年生の時。父の釣りに付き合ってテトラポットに立

お伽話風だけれども、誘拐譚を書き換えたものとも読めるし、結構ホラーかも。
最後の段落からずきずきする痛さを感じ、ここに至る物語だなと思ったのですが、
それでも前半をもう少しすっきりさせてもよかったかも。次点でお願いします。

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