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【選評】ツナ缶
- 海音寺ジョー
2019/01/21 (Mon) 21:48:53
遅くなってすみません、海音寺です。
○<ツナ缶3>その日の夜中に鳴った非常ベル
泥臭い、バンカラなムードがプンプン漂ってくる寮長に惹かれました。あだ名がツナ缶というのも、伝説のリアリズム(?)が醸し出されていてグッときました。
○<ツナ10>「母さん、スーパーで福袋を買ってきたよ」
福袋の中身の、無秩序さがこういう展開を呼ぶとは。ツナ缶で始まる異世界冒険譚の続きを想像すると楽しいです。
△<ツナ缶2>『恋は渚のシーキチン、恋は渚のシーキチン
勢いのある会話にぐいぐい引き込まれていく、パワーのある作品でした。
△<ツナ缶5 >「コンビーフとツナ、どっちにする?」
コンビーフ缶とツナ缶は形状が違うので、コンビーフだったら落としても遠くまで転がって行かなかったですね。その差に、主人公(語り手)が元来有しているのであろう悲哀がこもってて良かったです。
×<ツナ缶4>「ほとぎ なつ」
正選にしようか迷ったのですが、歌舞伎町のビルから出てるゴジラ像、あれはこの世の終末までもつかなー、バランス的にも構造上考えても、もっと早くに崩れるんじゃないかなという懐疑がぬぐえなくて逆選で。滅んじゃえ☆の☆は効果的でとても良かったです。暗い話なのに、語り手の軽快なリズム感が冴えていて作者の底力を感じました。
以上です。よろしくお願いします。