500文字の心臓

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短さは蝶だ。短さは未来だ。

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【選評】東京ヒズミランド - 不狼児

2012/05/08 (Tue) 20:15:20

とりいそぎ。不狼児です。
無理にゆがませていなければタイトルと関係はあまり気になりませんでした。ヒズミランドだからひずんでるものでもないでしょう。固有名詞ですし、幸子さんが幸福とは限らないですもんね。

東京ヒズミランド5
> ヒズミーの中は暑い。
素朴な話で好感触。汗くさい中の人は邪なことを考える余裕もなさそう。

東京ヒズミランド9
> 東京には密かに水が湧く場所があるという。
いい…んだけれども、ラストがちょとどうかなあ。いくらなんでも水が濁らなすぎる感じ。

×東京ヒズミランド12
> 夢も魔法もない世界と聞いて、
糞尿までならなんとか耐えられるが、鼻汁、痰、ゲロの話はちょっと無理。
遠足のバスの中で誰か一人がゲロ吐くと、我慢できなくなって次々もどし出す……三人も吐くとバスの中は後部座席までにおいが充満してきて、高速に乗ってたら逃げ場もない。息ができない。バナナくさいゲロとタマゴくさいゲロはとにかく最悪。もうダメ。吐きそう。死ぬ。×

△東京ヒズミランド13
> 謹答 多良ノ葉書にて失礼致します。
読むのが楽しい。これは快感。

○東京ヒズミランド15
> たぬきにおつかいを頼まれる。
夢の話はうまくいくと、悪夢でも、とても爽やか。しみこむ。これは夢じゃないと思い込んでいる話ほど胡散くさくない。

○東京ヒズミランド18
> 「ヒズミランド、ヒズミランド」
カタカナ語がとても効果的。幼児と動物を使うのは反則だと言いますが、これは王道。正々堂々。話しがきれいにまとまって軽すぎず、露骨すぎずバランスがいい。

【選評】東京ヒズミランド - オギ

2012/05/08 (Tue) 01:36:38

すみません遅くなってしまいました。ただひたすら迷っておりました。△は迷いすぎてつけられませんでした。

◎東京ヒズミランド18
>「ヒズミランド、ヒズミランド」
 面白かったです。微笑ましくもおっとりとした親子の会話が、どんどん不穏さをはらんでいくあたりがたまらない。幼児言葉のみによって描写されることで生じるイメージの歪みがよく生かされています。巧い。
 某ランドをベースにしての『東京』かと思うのでバッコチャンでその点ちょっと逸れてしまう気がしますが、遊び心は好きなので、少し甘いかもしれないけれど、もってけ◎!


×東京ヒズミランド24
>東京は美しい街です。
 今回一番迷いました。文章の質やイメージの面白味は申し分ないです。徹底した美しさは確かに不自然なのですが、イコール歪みではない気がして。歪みの存在を浮かびあがせるには、全体的に、毒や圧力がたりないというか。端正すぎる気がしました。


簡単ですが以上です。よろしくお願いします。

【選評】東京ヒズミランド - 白縫いさや

2012/05/07 (Mon) 22:28:00

「ひずみ」とは絶対的というよりは相対的なもので、どこか参照点があって初めて「ひずみ」かどうかわかるのだと思います。
作者それぞれが何を意識的、無意識的に「ひずみ」と捉えているのかが見えて面白かったです。
ところでそういう意味で言えば、世の中のあらゆるテーマパークも現実に対してひずんでいると言えばひずんでいるのですよね。

◎東京ヒズミランド17
> 鏡は監視カメラです。
この切り出し方は格好いいなぁ、と素直に思いました。
すごく丁寧に描かれているように思える分だけ、「空白の住人」がちょっとだけ浮いて見えるのが残念です。
◎は甘すぎるような気がしないでもないですが、個人的な趣味にフィットしすぎているので仕方ないです、たぶん。

△東京ヒズミランド18
>「ヒズミランド、ヒズミランド」
擬音語や擬態語の、語感で何となくニュアンスが伝える曖昧さが有効に機能していると思います。
クデンシャとかクーチーってモザイクが掛かったような程度で想像できますもの。

×東京ヒズミランド22
> 感覚刺激は見えるけれど読めない。
辛辣な言い方をすると、東京ヒズミランドというものを描くことに対する逃げの姿勢が垣間見えたように思います。
という印象を最初に持ってしまったがために、一段落目がますます言い訳がましく見えてしまいました。すみませんすみません。
ここまで抽象的な話ができる人なら、二段落目以降だけでも勝負できたんじゃないのー? とジト目を向けてみる。

東京ヒズミランド1
> 紗絵は、都営新宿線を新宿三丁目駅で降り、
たしかに昼と夜だと印象が違う場所ってあるよねー。
というのは個人的なささやかな気付きなのですが、あまりにも「ヒズミ」に引っ張られすぎている印象。

東京ヒズミランド2
> 東京。日本の首都。
「時空の歪み」の一語でどこまで想像してもらえるかどうかが勝負。
しかし勝負を仕掛ける一語としては少々手垢が付き過ぎているかと。

東京ヒズミランド3
>午前二時を過ぎたが、都市は眠らない。
語り手の立ち位置の妙というか、語り口が好みです。
これを「だから何?」で済ませないのが、超短編を読むときに楽しむコツの一つなのだろうと思います。

東京ヒズミランド4
>道路もバスもぐにゃぐにゃとうねって、蛇の背中のように歪んでいた。
歪みが歪みとして見えるのは、読み手側の世界が真っ直ぐだからなのですけど、そういうところまで意識して書かれたものなのかどうかが今一つ見極められません。
ところで最後の一文は蛇足かなと思いました。

東京ヒズミランド5
> ヒズミーの中は暑い。
ヒズミがキャラクター名としてのヒズミ以上の意味を持っていないのが残念。

東京ヒズミランド6
> 北朝鮮の平壌に、東京ヒズミランドなる複合エンターテインメント施設が出来たと
資本主義の象徴にNYではなく東京が選ばれる辺りが妙にリアルだなぁと思いました。
これは個人的な趣味の問題ではあるのですが、"一般常識"なるものに裏打ちされた歪みは、それを歪みと捉えること自体がマジョリティの傲慢にも見えるので、個人的にはあんまり好きじゃないです。

東京ヒズミランド7
>妖怪ヒズミ。三つ目で尖った耳を持ち、手はなく尾が長い。
アイデアは買いと思いつつ、二段落目が惜しいです。
いよいよヒズミの説明に終始してしまったなと。

東京ヒズミランド8
> 現代人はまったくもって歪んでいる。
なんというパワープレイ。呆れるほどにパワープレイ。
これだけ好き勝手やられた挙句に星付きで爽やかに追い出されるのだから、悪い意味で性質が悪い。
持ってけ逆選、と言うのも癪なので無印です。

東京ヒズミランド9
>東京には密かに水が湧く場所があるという。
方法論は買いと思いつつ、最後の一文が笑えないです。

東京ヒズミランド10
> カレは東京のあちら側のニンゲンで、アタシはこちら側。
東京の一語に頼りすぎな印象。全体的にタイトルとのフィット感が弱いです。

東京ヒズミランド11
>「おじちゃん。おじちゃんだろ?
地層ネタを引っ張ってくることの必然性ってどこにあったのだろう、というのが率直な感想でした。
どういう想像のプロセスを経てこういった形に落ち着いたのかがありありと見えてしまって、その想像の膨らませ方の安直さに脱力しました。

東京ヒズミランド12
> 夢も魔法もない世界と聞いて、
小説で喩えるなら、長編のうちのプロローグと第三章辺りを無造作に引っ張ってきたような感じがします。
エピソードの選び方にこれといった一貫性が見られないので、話としてまとまりが悪いです。

東京ヒズミランド13
> 謹答 多良ノ葉書にて失礼致します。
書簡体は身につけてみたいスキルですねー。
しかしこういう文体なだけに、ますますタイトルとのミスフィット感が目立つように思います。

東京ヒズミランド14
>昨夜一晩考え抜いた一言は結局言えずじまいで、
こういった物語の重みを書くには、あまりにもこのタイトルは遠すぎるように思います。

東京ヒズミランド15
> たぬきにおつかいを頼まれる。
拝読していて感じたことははやかつさんが全部仰ってくれました。
こういう話をしっかり書こうと思うと、数十枚くらいの短編になってしまうような気がします。

東京ヒズミランド16
>『ぜんたーィ、とまれ!』
なんて勢いのよろしい。

東京ヒズミランド19
> 明け透けにいえば、S男はヒズミ?ランドが好きなM子が好きだった。
説明しすぎのように思いました。

東京ヒズミランド20
> 降り止むきざしのない雨を抱きとめるように地面が波打っている。
「みやこは遠い」の一文があまりにもびしっと決まっているために、このタイトルから察せられるようないびつさが消えてしまっているように思います。

東京ヒズミランド21
>「ここは楽園?」
楽園ですなぁ。路地裏を歩いているときに時々見かけるくすんだにび色の扉を思い出します。

東京ヒズミランド23
> 電車はすいている。
立川までは東京に入れてやってください! とか思ったり。

東京ヒズミランド24
> 東京は美しい街です。
最後の一文で書き手のヒズミ観(?)が見えてしまってちょっとがっかり。
リフレインを用いた手法は有効に機能していると思います。

以上でっす。
余談ですけども、個人的には「ゆがみ」は「ひずみ」に比べてネガティブなイメージが伴う印象です。

【選評】東京ヒズミランド - 瀬川潮♭

2012/05/07 (Mon) 10:03:01

 ふらっと、瀬川です。

 遅刻ですね? 遅刻ですな。
 やはりテーマパークっぽいものを支持します。

×〈東京ヒズミランド6〉北朝鮮の平壌に、東京ヒズミランドなる
潰れたのが美術館だけだと思って◎を最後まで迷ったのですが、こちらを×で。良かったです。
△〈東京ヒズミランド7〉妖怪ヒズミ
楽しませていただいたのですが、せっかくなので今回はテーマパークを取らせてください。
△〈東京ヒズミランド9〉東京には密かに水が湧く
テーマパークを取りたかったのですが、これを。こういう書き方はテーマパークっぽくてわくわくするのだなぁと感心しました。
◎〈東京ヒズミランド15〉たぬきにおつかいを頼まれる
火炭ランドだと思います。×を最後まで迷ったのですが、こちらを◎で。良かったです。

 今回選外評難しいな、ということでごめんなさい。

【選評】東京ヒズミランド - まつじ

2012/05/07 (Mon) 00:47:00

 こんにちは、まつじです。
 世間はゴールデンウィークとかなんとか、一体何がゴールデンだというのか誰にとってゴールデンだというのかゴールデンだとして何だと言うのか、名称などというものも何もかんも、所詮はある程度の条件が満たされなければ共有されず成立しないものであり文章もまた然り、そのなかで我々はいったい誰に対し何を描こうと言うのかと問われれば私は、わからん、と胸を張って答えます。だからなんだと聞かれたら、意味はない、と返事をします。それでも私は、なんでか書き続けています。何かが満ちるとでも思っているのかもしれません。例えば「物語を書く」のは、単なる伝達ではなく、「ただ、生きる」ということに対しては、とても歪んでいる行為だと思います。そこに、良い、悪いは在りません。例えば私達の書いたものが私達の「ヒズミ」の産物だとして、それが集まったこの「場」はひとつの世界であり云わばヒズミランドであったりするのかもしれません。今回の競では、ひとつひとつはもとより、全体を通して見ても「東京ヒズミランドと、その周辺」を描いたひとつの塊のようにも読めさながらヒズミカル・パレード、若干軽さが足りなくも感じるけれど、面白かったですとかタイトル提出した自らをいまのうちに擁護する私です。いやあ、いろいろむちゃむちゃな話の展開の仕方でした! 恥ずかしい!
 ううむ。父が娘に入園料出し渋る話にしとけば良かったかなあ。
 前置き長いですね。

 前回に引き続いての全評に挑戦。この度は、末尾に気に入ったフレーズなどを抜粋しております。まずは票、

○<東京ヒズミランド13>謹答 多良ノ葉書
 格好いい!

○<東京ヒズミランド18>「ヒズミランド、ヒズミランド
 怖いな、バッコチャン! 詳細は評を参照。

△<東京ヒズミランド3>午前二時を過ぎたが、都市は眠らない。通りにはまだ人で溢れ、
 都会のさりげない不可思議に。詳細は評を参照。

△<東京ヒズミランド15>たぬきにおつかいを
 たぬきに。詳細は評を参照。

×<東京ヒズミランド20>降り止むきざしのない雨
 わからなかったけど印象に残ったので。詳細は評を参照。

 それから評です。

<東京ヒズミランド1>紗絵は、都営新宿線を新宿三丁目駅で降り、
 東京は新宿のお話ですね、歓楽街はヒズミがよく似合います。夜と昼との棲み分けがされていない方がよりヒズんでるかなと思うところもあるのですが、紗絵さん自身にそういう要素を感じたのでそこはあまり気にしないことにしました。欲を言えば、彼女が「一瞬」でも「身構え」ないでくれたら、雰囲気が統一されて良かったかもしれません。「夜の住人たちがザリザリと行進したであろう道」。

<東京ヒズミランド2>東京。日本の首都。毎日多くの人々が電車に寿司詰めされ、
 なんだかSFのようで、その先に何があるのかよく分からない空間の裂け目。怪しくてとても気になります。好みで言えば広告コピーを冒頭に持ってきたうえで、同じように話を展開させていくと、足を踏み入れる前の世界のせわしなさだとかうんざり感が断絶されず最後の開放感が引き立つようにも感じますが、そのコピーで今までの生活が断ち切られることに重点をおくのか、何を見せたいか次第でしょうか。「私たちが丸だと思っている形は本当はぐにゃぐにゃで」。

<東京ヒズミランド3>午前二時を過ぎたが、都市は眠らない。通りにはまだ人で溢れ、
 何かモチーフがあるのであればそれについては私は分かりませんが、とても魅力的で不可思議な世界だと思います。誰も何事もなさそうなのが好いです。青虫もいい味出して、シーツに潜り込んでいきました。思わせぶりな材料がたくさんあって、でも分からないので解説求ムです。「男は気にする様子もなく立ち上がり、暖簾でもくぐるかのように看板をひょいとめくり上げ」。 

<東京ヒズミランド4>道路もバスもぐにゃぐにゃとうねって、
 陽炎みたいな不思議な現象。よくわからないツクリモノの事象が淡々と描かれているところが好みです。語り手の冷静さとか。だからこそむしろ、なにやらのメッセージ性を感じる最後の一文が勿体なく感じてしまいます。それなら地の文は神の視点のほうがいいように思うし、一人称ですすめるならその人とオチを繋ぐ要素を描くか、でなければ現象の理由はさておき個人の感情に結びつけるのがいい気がしました。「顔の輪郭も、目も鼻も、歪な楕円のようで、その表情はどことなく悲しそうだ」。

<東京ヒズミランド5>ヒズミーの中は暑い。
 ヒズミーとヒズミンは同じなのか別物なのか、ちょっと分かりにくいのは私だけでしょうか。夢の世界の中の狭い空間にいる主人公の現実を、若干の皮肉を込めて描いているのは嫌いじゃありません。あえてヒズミーとか造られた固有名詞を使わなければ、より皮肉っぽかかったかもしれませんね。「ちょっと、ヒズミンは女の子だからもっと可愛くして!」。

<東京ヒズミランド6>北朝鮮の平壌に、東京ヒズミ
 読みすすめるうちに思わぬ展開でした。文章としては素直すぎるような気もしますが、タイトルを逆手にとられた感じで、それだけで個人的には好評価です。「北朝鮮では本来の意味での芸術家達の自由は阻害されている」。

<東京ヒズミランド7>妖怪ヒズミ。
 なんかいっぱい出て来た! 憑かれた人のヒズミっぷりがもっとヒズんでいたらもっと面白かったです。恐ろしい妖怪ですが、ランド化するまでになってしまうと、彼らの餌がなくなってしまうのではないかと心配であったりもします。「女の耳からはヒズミがぞろぞろとぶら下がり」。

<東京ヒズミランド8>現代人はまったくもって歪んで
 人を喰ったようになっていく文章が好みです。このタイトルで、鹿児島が出てくるのも面白い、それから時空の歪み、SF的な流れ、どんどん軽く、いい加減になっていく感じですね。「はて、当たるも八卦当たらぬも八卦、時空の歪みにより、そこは雅やかな古都かマンモスと追いかけっこか言葉は通じるのか空気はあるのか!」

<東京ヒズミランド9>東京には密かに水が湧く
 淡々と、事実のようなものを説明していく構成が面白いなと感じました。水の説明のくだりとか。災害によって歪が解消するというのは読みようによっては皮肉ともとれま、必ずしも前向きな印象ばかりではありませんが、必要以上に飾らない文章とあいまってとても清々しかったです。「東京には密かに水が湧く場所があるという」。

<東京ヒズミランド10>カレは東京のあちら側
 なんもかんもいつものこととか、手の込んだアトラクションとかとか言っていて矛盾しているので、無理に納得しようとしていると読みました。彼が来ないことを認めたくない気持ちが時空を歪ませ、いつかの東京が現れるのは面白いですが、そもそもそういう展開でよろしいでしょうか自信がありません。そこらへんが分かりにくいのは、拒絶や死など、彼の不在や彼女の閉じこもりについての予兆とか説明とかがなく感傷的な印象ば目立ってしまいぼんやりしているからかもしれません。「自然のセツリってやつだよね。」

<東京ヒズミランド11>「おじちゃん。おじちゃんだろ?
 これは直球のパロディですね。地学方面の用語などで統一して絡めてきたあたりに感心させられます。ただ、用語が多すぎるのと妙な展開とで話に置いていかれてしまったようで、多いなら多いで、内容や流れと繋げられればよかったのですが、あいにくそれも私には分からなかったのでした。「おじちゃん。おじちゃんだろ?おじちゃん、イズミヤのおじちゃんだろ?」

<東京ヒズミランド12>夢も魔法もない世界と聞いて、
 何度か読んだのですが、始めと後がうまくつながらないので参りました。「転校一日目にして思い知った」あたりが私を翻弄している模様です。とりあえず、胸焼けはお菓子じゃなくても起きると申し上げまして、全体の雰囲気など貫くところは貫いているし、夢と魔法の世界からやってきた誰かが見た東京の風景が描かれていたりしていて格好いいなと感じるものの、しかしもうちょっと洗練させてもいいかなと思うのは、ゲロのくだりの描写が過剰というか拘りすぎというか、いやな言い方をすれば、なんだか鼻につくからのように感じます。「それであの七色のネオンの海ができるのだから、とても不思議なことだと思う。」

<東京ヒズミランド13>謹答 多良ノ葉書
 内容で言えば、かなり好きです。「ひげよ、さらば」という小説がありますが、それを思い出しました猫の物語。この書きっぷりで、まさかの主人公。タイトルとのアンバランスは、これを良いと取るか、迷うところです。惜しむらくは、唯一読んだことのある森見氏の著作と同じような印象を抱いたことですが、この形式をとる以上仕方のないことなのかもとも思います。しかし。渋いなあー、かっこいいなあー。「彼らは、ふと気紛れの好意を示す点、我らとそう遠くないのかもしれません。」

<東京ヒズミランド14>昨夜一晩考え抜いた
 心温まる人情話と申しますか、ほっとしますね。思い出の町で思い入れのある町を、無理をして皮肉っぽくまるで他人事のテーマパークのように見ている感じと捉えると、遠いようなタイトルも一周まわって合ってるような気がする不思議、改めて、タイトルと本文の関係についてちょっと考えてしまいました。父の思い出まで持っていくことが母の幸せであるだろうかという点に疑問がありますが、それはあくまで個人の考え、とはいえそれを納得させる描写があるといいのも確かで、そこを五百文字というフィールドで説明的過ぎず語れたらというのは贅沢が過ぎるでしょうか。「母さんが奮発してくれたグリーン車の中には、隅っこにサラリーマンらしい背中がひとつ見えるだけだ。」

<東京ヒズミランド15>たぬきにおつかいを
 巻き込まれている、というのが私の印象でした。なぜ巻き込まれているのかは、分かりません。悪夢のように語られるお話は、書きぶりがとても上手と思います。割と無駄がない。ではどこにタイトルがあるのか、と問われればそれも実は分からないのですが、タイトル競作でありタイトルとして無理にでもこれを近付けて考えてみると、東京都会的な風景のなかのひずんだ夢のようなイメージが湧いたり、すでにこの夢はヒズミランドのなかであるのかもしれないし、それはそれでアリのようにも思えてきました。「硬貨が行き交う大人たちの足をすり抜けるから、腰を落としてその森へ分け入る。」

<東京ヒズミランド16>『ぜんたーィ、とまれ!
 ぱっと見、読みにくいところがまずもったいないなと思ったのですが、ひらがなのほうが雰囲気が固くなりすぎずいいなと感じるのもたしかで、しかし、やはり読者あっての作品なのだから読みやすさというのも、もう少し意識していいのではないだろうかという気もします。首都を攻略し云々のくだりは他と比べて説明っぽさが強いように思うのですが、なんだか場の雰囲気がわちゃわちゃしてる感じは嫌いじゃありません。3Kみたいなのが出てるのも気になりますね。これから建国される東京ヒズミランド。「きざめよッ、われらの、ひずまりだましい!」

<東京ヒズミランド17>鏡は監視カメラです。
 読めども読めども結局この施設の目的は見えないのですが、その分、より、ひずみを感じます。一体何がひずんでいるのか。そんなに突飛な設定でないだけに、この話のなかの何を私がひずみと思うのかを考えることで自分を考えることも出来るなと思わされたお話でした。淡々と静かで、印象がぼんやりしてしまうので、たくさんの話のなかでは埋もれてしまいがちな個性と感じました。「暗くなれば遠くに、こぼれ落ちた星のようなあかりが見えて、だからあそこには人がいます。」

<東京ヒズミランド18>「ヒズミランド、ヒズミランド
 これはもう、誰が入れなくたって私は票を投じますのはそこに「バッコチャン」がいるからです。他のタイトル案もひろってくれているところが素直にうれしい。作品自体とはあんまり関係ないところで恐縮ですが。とは言うものの、うまく使ってくれているなあとも思います。よく分からない言葉で不穏を描写するというのは珍しい手法ではない気もしますが、タイトルに対してどこかのテーマパークのイメージを持つ人はその不穏さがかなりなものになります。逆に、真っ白な状態で読めば、そうでもない気もします。読者のタイトルに持つイメージによってだいぶ左右される作品と感じました。「バッコチャン、バッコチャン!」

<東京ヒズミランド19>明け透けにいえば、S男
 もう、タイトル考えた私も私ですが、終始意地が悪い。過不足なく、一片の曇りも無く意地が悪い、そこに好感が持てるともいえますが、逆にいえばそれはまた、提示されたタイトルに対してあまりにストレートすぎるような気がして、読者としてはもうちょっと物足りないようにも感じました。とにもかくにも、タイトルとの合いようは間違いないです。「こういう時、ゆっくり握りかえすのがかわいいと思う。」

<東京ヒズミランド20>降り止むきざしのない雨
 雨のイメージが非常に強く、印象的です。ただ、申し訳ありません、がんばってはみたのですが私には「遊園地」というそれらしい単語以外には東京ヒズミランドが見えませんで、「雨を知る」ということがポイントだとして、一段落目と三段落目とタイトルが頭の中でうまくつながらなかったのです。地面と体表が対比的にというよりも近似的に描かれていて、「みやこは遠い」や、体表に生じるかすかなひずみによって「のみ」に込められた意味を見つける手がかりが少なくとも私には汲み取れず、悔しい、野暮でも聞きたい解説求むです。読める人には読めるようなので、たぶん自分に何か欠落しているんじゃないかと思う次第です。「降った雨はどこへいったかと気にかける者もいない。」

<東京ヒズミランド21>「ここは楽園
 オレンジ色の豆電球だけの仄かに暗いイメージが良いです。楽園だ地獄だのやりとりは私には感傷的すぎるというか気障というか、二人きりの男女なんてそんなものでしょうか。地下に暮らす二人をセンチメンタルな感じで描いていて素敵と思いますがここからは好みの問題で、もっと淡々としていて良かったです。カッコつきの台詞によるところが大きいとは思うのですが。退化している目に対して「ウソつき」と言わせたのが、いいですね。「この部屋は、オレンジ色した豆電球だけがわたしたちを照らし出す。」

<東京ヒズミランド22>感覚刺激は見えるけれど
 文章そのものははっきりした言いようなのに、風景ははじめから最後まで色合いも風景もぼんやりと曖昧なままであるところが割と好み。でもたしかに外から見た東京ヒズミランドを描いていて、でも一つのアイデアを描いただけと言えばそれだけでもあるように見えるしアイデア自体がそれほど変わったものでもなく、それでは何が他にポイントになるかと言えば「感覚刺激」と「あれが東京だと言い張る人も少なくない」であろうとは思われるのですが、語り手がそれに対してどういう考えなのかまでは描かれていないし最終的に「わからない」で締め括られていることで、そこらへんもぼんやりしてしまっている気がしました。それも合わせてヒズミもしくはマボロシ感を描いたということなのかもしれませんが、二段落目で終わるか、二段落目を三段落目と入れ替えるかしたほうが一段落目がより活きるし作品としては締まったのではないでしょうかというのが私の感想です。

<東京ヒズミランド23>電車はすいている。
 タイトル外のものを描くというスタンスに好感が持てます。後ろに遠ざかる東京ヒズミランド。電車が列車になっていて(列車って、電車と違うのかという基本的な知識が曖昧なまま読んでおります)、なんだか夢のような何かが歪んだようにも思える描かれようですが、イメージとしてはわかる気がする。けれど、「電車ではない、列車だ。」というのが、他と比べてちょっと、なんというか、強い気もします。電車ではないのだということを言いたいのは察しますが、作品のなかでそこまで強調するものかどうか、列車よりもその外の景色がメインのように感じたので疑問であったりもしました。「東京を後ろに残してひた走る。」

<東京ヒズミランド24>東京は美しい街です。
 作品23と合わせてになりますが、たまたまなのでしょうが、この配置は図られたものなのではないかと思ったりしました。余談です。
 東京ヒズミランド作品群の最後を、なんとなくうまいことまとめてくれたように感じた作品です。繰り返しが印象的で、繰り返すことでなぜか胡散臭さを感じるのはきっと私のどこかがひずんでいるからなのでしょう。文章もきっちりきれいに作られている点が素晴らしいと思います。ただ、描かれている風景によるものか、文章によるものか、突出して引き寄せられるものを感じなくて、それはもしかしたら最後の一文もするりと流れ引っ掛かりがなかったからかもしれず、それ次第で印象が変わったかも知れないという気もしました。「日々ビルが建てられ、取り壊され、また建てられ、スカイラインはレベルインジケータのように色鮮やかに波打ちます。」

 最近は、文章を書くことと人に伝えることのバランスみたいなことを考えます。なんで書いてんだろう、というところも含めて。
 毎度のことながら、拙い頭で書いた拙い評ですが、誰かにとってなんらか意味のあるものになればと思います。

【選評】東京ヒズミランド - 佐々山オコジョ

2012/05/07 (Mon) 00:01:54

今回初めて書かせていただきました。
見ているのと書くのとでは大きく違うんだなーと、投稿したあとで気付きました。
以下、選評です。

〇<東京ヒズミランド5>
> ヒズミーの中は暑い。主食は中の人の汗だな、きっと。
ヒズミーの描写にしぼって、東京ヒズミランドの存在を感じさせるのがよいと思いました。
夢の世界と、ヒズミーの中の狭い世界、地方と東京など、タイトルに響く仕掛けも面白いです。

〇<東京ヒズミランド18>
>「ヒズミランド、ヒズミランド」
「東京ヒズミランド」という言葉が、子供が言い損じたもの、という発想が面白かったです。
さらに、
>チューチュの背中がジージってひらいたね。
以降の、何が起こっているか、はっきり分からない恐怖の広がり方がよかったです。

×△<東京ヒズミランド2>
> 東京。日本の首都。
本当はぐちゃぐちゃしているはずなのに、日常生活は続いていくというような、
東京の生活の中にある不信感みたいなものをうまくとりあげていると思いました。
前半と後半の内容の方向がずれているのが残念で、その点で逆選に選びました。

書くのも難しいですが、選評も難しいですね。
他の方の作品を読むのは楽しかったです。では。

【選評】東京ヒズミランド - 砂場

2012/05/06 (Sun) 11:39:19

 文フリの日ですね、こんにちは!
 なるほどなあと思う視点が多くて選びにくかった。面白かったもの、タイトルからは少し外れたものを選んだかもしれない。

△<東京ヒズミランド2>
> 東京。
六千円で良いんだ。六千円で帰れるのかな。いや、千二百万円とかだったら、長編になりそうだけど。(かな?)
そこに何があるのかかなり謎だけれど、自然な感じでSFぽくて広がりとまとまりが合って良かった。
「ぐねぐねとゆがんだ空間」に自らの身体を入れると「元々いた真実の世界」に行ける、と思えるっていうは、ちょっとほんとに歪んでいる感じがする。

△<東京ヒズミランド3>
>午前二時を過ぎたが、都市は眠らない。
なんで文字なのか。何の文字なのか。謎ですね。

×<東京ヒズミランド10>
> カレは東京のあちら側のニンゲンで、アタシはこちら側。
ちょっと分かりにくかった。「アタシ」はこのおかしな(おそらくひずんだ)状況を分かっているのか、分かっていないのか。

○<東京ヒズミランド15>
> たぬきにおつかいを頼まれる。
なんていうか……「定型で書かれたお話」という感じがしない風に思えたのでいいなぁと思って。

○<東京ヒズミランド18>
>「ヒズミランド、ヒズミランド」
怖いよ。(笑)
一番楽しかったので○。


<東京ヒズミランド4>
>道路もバスもぐにゃぐにゃとうねって、蛇の背中のように歪んでいた。
自然(?)現象ですか。面白かった! どうやって計るんだろう。物差しかな。

<東京ヒズミランド5>
> ヒズミーの中は暑い。
これも面白かった。なんて狭い国なんだ! お疲れ様、と言いたい。まあそれがあなたのお仕事であるわけで、と続けてしまう。

<東京ヒズミランド7>
>妖怪ヒズミ。
綺麗にまとまって話に歪みが一切ない。

<東京ヒズミランド9>
>東京には密かに水が湧く場所があるという。
なるほど、解消された方を描いたんだ。
歪があった時のことを、良いものとして見てしまったりもした。

<東京ヒズミランド11>
>「おじちゃん。おじちゃんだろ?おじちゃん、ヒミズのおじちゃんだろ?」
この夢の国は経済的に成り立つのか(笑)。いや、お客は何を求めて行くのだ。あ、突っ込みか。

<東京ヒズミランド12>
> 夢も魔法もない世界と聞いて、正直に言えばとても期待していたのだ。
断片ぽい感じがした。

<東京ヒズミランド13>
> 謹答 多良ノ葉書にて失礼致します。
すごいなー。こんな文章書けるんだ。

<東京ヒズミランド16>
>『ぜんたーィ、とまれ!』
ちょこっと左右対称じゃないと思う。ひずみには、分かりやすいのばかりでなくそういう小さい部分が大事ではないだろうか。

<東京ヒズミランド24>
> 東京は美しい街です。
すみません。読んでいて面白い文章でした。なんで謝ったかといえば、上から読んで行って、投票決めて、人の選評読んで、もう一度こちらを読んで、ラストでばててたかな自分と思わないでもなかったので。(今から投票先を変えようとすると、決まらないので変えません)

では、失礼いたしました。

【選評】東京ヒズミランド - つとむュー

2012/05/06 (Sun) 11:04:29

みなさんの作品を読んでいるうちに、東京が終着駅であることを思い出しました。
それを使って作品を書けば面白かったかな、と今さらながらに思っています。

〇<東京ヒズミランド5>
> ヒズミーの中は暑い。主食は中の人の汗だな、きっと。
お題がお題だけに、今回はテーマパークを扱った作品がが多かったです。
メインキャラクターの「ヒズミ」が登場すれば、そこはすでに東京ヒズミランド。
そんな作品の中でも一番気に入ったので〇。最後の煙草が良かったです。

〇<東京ヒズミランド10>
> カレは東京のあちら側のニンゲンで、アタシはこちら側。
時空の歪の中で二人が遭う、という設定がすごく気に入りました。
別に東京でなくてもいいのではという気もしますが、
東京でなくてはいけないような感じもしました。

△<東京ヒズミランド6>
> 北朝鮮の平壌に、東京ヒズミランドなる複合エンターテインメント施設が出来た
政治色が強いという嫌いがありますが、
外国に東京を体感できるテーマパークができるという発想が良かったです。

△<東京ヒズミランド11>
>「おじちゃん。おじちゃんだろ?おじちゃん、ヒミズのおじちゃんだろ?」
「セントロイト・シューティングギャラリー」はセントロイドですよね?
シューティングの的がCMT解だったら嫌ですね。逆断層だけ撃て!とか?

×<東京ヒズミランド19>
> 明け透けにいえば、S男はヒズミ—ランドが好きなM子が好きだった。
二人のヒズミ振りがとても良かったです。
でも、歪んでいるのはランドの方では無さそうだったので×にしました。
それにしても、長い行列が極上のアトラクションだなんて、すごい発想ですね。

以上、よろしくお願いします。

【選評】東京ヒズミランド - koro

2012/05/06 (Sun) 02:06:39

こんばんは。世界や物事を斜に構えた見方をしているなぁと感じる作品のほうが、タイトルには合っているなぁと思いました。

○<東京ヒズミランド18>
>「ヒズミランド
二歳くらいの幼児のたどたどしい言葉遣いは可愛らしいけど、作品のように親の訳とか解説がないと、わからないですね。でも、この作品の中にもわからない意味の単語がまだ幾つかあって、想像を膨らませて読むことができて楽しかったです。
>グシグシでみんなをコッコローンしてるよ
とか、軽い感じの楽しげな言葉のようだけど、前後の文章から想像するに、目を背けたくなるような光景が広がっているのではないかと思いました。
最初は、幸せな家族とヒズミランドの恐ろしさの対比が面白い作品なのかと思っていました。でも、読み終えた時には、そうではなくて主人公と二歳の息子も既にヒズミランドの住人になっているのではないかと感じました。バッコチャンに丸呑みされても、二人とも何もなかったようにお腹を切り裂いて出てきて、楽しそうに次のアトラクションに向かいそうだなぁと思ったのです。そういう意味でも、この作品が全作品の中で一番恐ろしいなぁと感じたので○にしました。
バッコチャン、パクン。ダイドーブ。ポンポン、ジージーした。タノ死カッターネー。

○<東京ヒズミランド24>
>東京は美しい
作品を作る時に、既に歪んでいるものばかりを想像して自分は書き始めたのですが、この作品には、歪みはどうして起こるのかということが描かれていて、そこが面白いなぁって思いました。「常識やルール」というものにとらわれ過ぎた結果が招いた現象を、斜に構えた見方で冷静に描いているなぁと思いました。でも、着ぐるみですし詰めになっても押し黙っているのは美(常識)のためだけだとは思わないです。そうするしかないくらい、たくさんの建物や人間がひしめいていて、そんなふうに生きるのがいちばん楽というか、そうじゃないと生きていけない。みんな必死で生きているだけ。それって、滑稽だとは思えないです。この作品は、口は笑っていても目は笑っていない人間のような作品かなぁって、皮肉っているようだけど、もう一つ先を見て書かれているようにも思えたので○にしました、

△<東京ヒズミランド8>
>現代人はまったくもって
暗いイメージの作品が多かった中で、このお話は読んでいて明るく楽しくなれるところが良かったです。
冒頭から、上手いこと煙に巻かれたような感じもしたのですが、そもそも理論ぶって書こうとはしていないのだろうなぁというところに惹きこまれていきました。
異世界のヒズミランドに入場するまでのストーリーということでいえば、<ヒズミランド2>にも話が似ていて、そちらの作品のほうが落ち着いた文体で流れの運びも上手いなぁとも思えたのですが、好みでこちらにしました。
>空気はあるのか
とか、特に好きです。地球なんて小さなこと言わず宇宙無限大な感じが良いなぁ。
でも、耐震偽装(のような)アパートは鹿児島だし木彫りの熊は北海道土産だろうし、どこに東京があるのだろう(笑)? 遊び心から敢えて東京を出さなかったのだろうなぁと思いつつ……。

△<東京ヒズミランド19>
>明け透けにいえば、
「アケスケ眼鏡なんてかけているから、そんな歪んだ見方しかできないんだ。要は、嫉妬しているだけなんだろ?」
S男は、私に向かって言葉を吐いた。M子は「そんなこと言ったら可愛そうだよ」なんて言いながら、押さえた手の隙間から見える口元は笑いを堪えて歪んでいた。
「ヒズミランドのカップルなんて、どうせみんなアンタたちみたいなのばかりでしょ」と私は叫ぶ。
ここは、暗闇。くるくる回るバギー。ホーンペットマンションだ。鏡に映ったのは、私と……亡霊だけ?! 亡霊は、哀れだとばかりに私の頬にキスをする。
「お、お一人様のナニが悪いっていうのよ!」

×<東京ヒズミランド15>
>たぬきにおつかい
場面の切り替わりが鮮やかだなぁと思いました。どこからが現実で夢なのか、あやふやな感じを作るのがとても上手だなぁ。文章力も表現力も、ストーリーの面白さも、全てが揃っているし、不思議な感じや、恐ろしさもあって……もう、オンパレード! エレクトリカルパレード! でも、遊園地は出てきたけど、このタイトルではないなぁと思ったので逆選にしました。主人公はなんでこんな悪夢(?)を体験しているのだろう。小腹が空いてきたせいか、きつねやたぬきから、赤いきつねと緑のたぬきばかり想像してしまう。主人公は、ライバルのどん兵衛さんなのかもしれない。

<東京ヒズミランド16>
>『ぜんたーィ
読んでいて楽しい作品でした。でも、この軍隊の人たちって勇ましくて情熱的で、全然ひずんでないような……。ひずみを推進している人間は、こんな健康的ではあってはならない気がしました。その、ちぐはぐな感じは面白いのですが。

<東京ヒズミランド17>
>鏡は
この作品の遊園地は、何度か行ったことのあるヒズミランドよりも、どんな所か詳しくは知らないマイケルのネバーネバーランドのほうが、自分の想像するイメージに近いかなぁと思いました。(すごく間違ったイメージなのだろうけど……あくまでイメージで)

ひずみ気味。外では着ぐるみ状態だから、せめてパソコンの中くらいパジャマかジャージでいたいな。

【選評】東京ヒズミランド - 氷砂糖

2012/05/06 (Sun) 01:21:58

作品は参加していないのですが。

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△<東京ヒズミランド14>昨夜一晩考え抜いた一言は
新幹線に乗っていたら、ホームの人影が小さくなる前に視界から消えるよね。
窓小さいもんね。いくらグリーン車でもね。
とか、そういう細かいことはとりあえず置いておいて。
このタイトルで読みたいと思っていた上京物語を書いてくださったことに感謝。
逆に言えばそれだけかもしれなくて申し訳ありませんが。
他に面白いと思ったものがあったので、次点でお願いします。

◎<東京ヒズミランド20> 降り止むきざしのない雨
文字の並びがきれいです。
空白行に挟まれた一文に説得力があるし、そこ繋がる最終段がすっと腑に落ちる。
短く、ごく個人的な体感を描いているけれど、
私には読者として語り手に自身を投影する楽しみがとても深かったです。
特選でお願いします。

△<東京ヒズミランド21>「ここは楽園?」
ベタのベタを読ませるものに仕上げるには技量がいるものだと思います。
予定調和といえばそうなのですが、それでもしっかり読ませてくれました。
正選にしようか悩んだけれど、20に特選を贈ることにして、
これは次点でお願いします。

×<東京ヒズミランド22> 感覚刺激は見えるけれど
おそらく描きたいのだろうな、という辺りのことは、
なんとなく知っている感覚のことのような気がします。
けれど、その上辺だけをすくい上げて形良く纏めようとする意思が感じられます。
それ自体は作品を書く上で大事なことなのかもしれませんが、
タイトルを見たときに、放り投げるような手放すような雰囲気があったらよかったな、
という、読者の欲から、逆選でお願いします。

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以上です。よろしくお願いします。


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