500文字の心臓

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短さは蝶だ。短さは未来だ。

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【選評】川を下る - 磯村咲

2020/08/07 (Fri) 20:03:56

ニホンウナギは高さ46mの滝を登れるとか。タイミング的に「川を上る」の方がよかったのかな。一緒か。

〇<川を下る4>
> こちらから出向かなければできないという思惑の外から川の方がやって来て

まず「思惑の外から川がやってきて」「川まっただ中」という表現がとてもよかったです。
マインドフルネスというのはこういうのなのではないか、と思いましたが、全然違うみたいですね。自分が流されてはいかんらしいです。


〇<川を下る10>
> 三途の川を、渡らずに下る。渡し賃は必要であるが下り賃は要らないから。

一行目からオチまで展開に次ぐ展開が隙無く面白かったです。三途の川の流れつく先が「冥海」なのがかっこいい。


△<川を下る11>
>歩いたり本を読んだり考えたりしているうちに、思いも寄らぬ場所に出てしま

どこに連れていかれるのだろうと読み進めたところ、最後の一文。この小さな川下りをタイトルに合わせて切り出したところが素晴らしいです。


△<川を下る12>
> 電車で川を下る。川の真ん中に線路が通ってるのだ。中州に街があり、駅で

主人公もたぶんおっさんなのですよね。
描写される風景には非日常感があるのだけれど、川の真ん中の線路を走る電車に乗って川を下り、中州へ映画を観に行く主人公のおっさんにはいつものこと。不思議な読み心地でした。


×<川を下る9>
> そんなことする必要があるのかと訊かれても、私の苗字が川下だったら納得

最後の一行が無かったら、意味を見つけようとも思わなかったのですが、何?最後の一行何?
間に挟まった「今」、唐突な「案外、あたたかいよ。」、何それ何?


他にいくつも評を書きたい面白かった作品があるのですが、力が尽きました。以上です。

【選評】川を下る - 永子

2020/08/06 (Thu) 22:40:25

やはり締め切りまでに書けず、それなら選評を一番になどと思ったのですがやはり無理でした。
(川というお題なので、感潮河川で書きたかったんですが。大阪は土地が低いので、中之島辺りでも逆流が見られます)

×<川を下る2>
>「…えっと、どう…始める?」

この作品に逆選をつけたのは、お察しかと思いますが、わたしに音楽的素養がないからです。文章から音や音楽が想像できない。
下ってゆく川の姿と音楽(できたら即興)のコラボは、すてきだと思うんですけど…

◎<川を下る11>
>歩いたり本を読んだり考えたりしているうちに、

塩水くさびっていうんですってね。(by Wikipedia)
感潮河川に惹かれる者としては、書かれている現象自体がロマンチック(塩害を考えればそんなこと言ってられないんでしょうが)。
密度というか、手触りの違う文章が多層になっている構造も、現象をなぞっていて巧みです。

<川を下る4>
>こちらから出向かなければ

なんだか順調に流れていない川の感じが良く出ている気がします。

<川を下る5>
>昔から山の手には金持ちが住む。
<川を下る6>
>いつから船にいるかなんて知らない。

この二つが続けて置かれているのが面白いと思いました。
流れ自体を見据えてその先を思うのと、流れに浮かんで、とりあえず自足しているから何も考えないことにしているんだというのと。
書こうとする人の動機は似ていると思うんですけど、アプローチの仕方が対照的。

<川を下る8>
>人生で初めて川のあるまちに住んだ。

川を下っていくのではなく、下ってくる、のはこれだけでしょうか。
最後の部分、不穏なのか期待なのか、よくわからないのが魅力的。でも、前段はそれ以上にわからず、すみません、読みとれなかったです。

【選評】川を下る - まつじ

2020/08/04 (Tue) 17:08:01

こんにちは、いかがお過ごしですか。くだっていますか。のぼっていますか。わたっていますか。あるいは、とどまっていますか。毎度の選評、ゆるゆると読み下っていって下さい下へ下へ。


◯<川を下る10>三途の川を、渡らずに下る。渡し賃は必要
旦那、いいですね、トランスフォーム、舟toサーフボード。変形しきらずにおわったところにうきうきします。読みやすい文章と、三途の川を下るとか改宗するとかしないとか舟が変形とかのひねぶりのバランスが気持ちよかったので、正選まるを差し上げます。旦那、ふたたびの終わりの見えぬ旅。

◯<川を下る11>歩いたり本を読んだり考えたり
海水魚どんの、一瞬の、川を下る。銚子川の描写は説明文のようでいてファンタジーのようでもある心地のよい書きぶりでした。一段落目があることで象徴的な話とも読めるような分かりやすい仕掛けもあり、それぞれの段落の場面が異なっていたり、徐々に文量が増えていたり、丁寧に設計したんだろうなあと感嘆の正選まる。

△<川を下る12>電車で川を下る。川の
序盤、視覚的に映える描写で掴みにかかりますね。実をいうと、それに私は身構えてしまいましたけれど。おっさんという言葉の孕む哀しさが、案外この話を支えている
と思えます。おっさんよう。川を下ることは映画を観ること、アーク灯というワードがとてもいい味出してます。

×<川を下る14>「いつか書きたいと思ってたネタ
聞き手の、流してる感がいっそ清々しいですね。何やら詳細は分かりませんが、その話ちょっと興味出てしまいましたけど、どう書かれるのかなあウキウキ。恥ずかしげを捨てきれない私から、こんなに眩しいこの方へ憧れ羨望の逆選ぺけを謹んでお贈りいたします。

<川を下る1>長く長くのびるビルの影にとぷん
文字のひらき具合というか、漢字とひらがなのバランスが視覚的に好みでした。一文目、飛び降りたのかと思い死を連想しました。当然流れ込んでくるだろうやみの前で無力すぎて、とぷんと飛び込んだ「意志」のようなものが霞んでしまったのがもったいない気がします。

<川を下る2>「…えっと、どう…始め
音楽系は自分では描ききれないので(いや、何なら描ききれるのかって話もあるんですけど)、それだけで敬意です。「あっ三日月湖」がかわいい。リズムが気持ちいい文体で、きれい。でもなんだろう、ドラマティックな見た目だけど平坦なようにも感じられてしまって、私には少し物足りなかったです。

<川を下る3>なんだ、この大きなうねりは。濁流に
軽い読み口はきらいではないです、ドボン。うわー。とはいえ、正直にいうとどこらへんに「桃太郎」の要素があるのか分からず、ないほうがすっきり読めた気がします。「滝壺に落ちて終わりなのか」と考えているので、最終段落の「そうだった」という気付きにも、多少の違和感がありました。

<川を下る4>こちらから出向かなければできない
まさかの連続桃太郎という巡り合わせに驚きましたが、作品とは関係なくて恐縮です。「桃太郎」が出てくる意味があったろうかと疑問も残りますが、エンドレス桃みたいになって終わるからいいのかもしれません。しかし確かに桃太郎の桃はどこからやって来たのでしょうか、ご存知でしたら教えてください。

<川を下る5>昔から山の手には金持ちが
海に出たらどうなるんだろうと思いつつ、しかし「どんな世界も淡いに屑が打ち寄せる」はよかったです。そうすると、世界はだいたい屑ですものね。ストレート過ぎる感もありますが心意気は汲みたい、のでそれをもうちょっと物語の形で読んでみたいと考えてしまうのは私のわがままですけれど。

<川を下る6>いつから船にいるかなんて知らない。
疑問符がつくことで、リズムだけでなくて音程のようなものも感じられ、興味深かったです。やるなあ、クエスチョンマーク。しかし、なんでもできちゃうたいした船ですね。「あなた」は他の「船」の人なのか、はてさて。無邪気に怖い話ですね。遺体がな怖いがな。

<川を下る7>私の生業は苗字占い。
遊び心が愉快な一品。占い師の名前は何なんだろうなと考えてしまう野暮な私ですが、気になるものは気になる。地理には疎いので、へえそうなのかあと頷くばかり、しかし出会って別れて川物語、なんだか歌にもなりそうなので、いっそ歌にしてくれる方はおりませんか。

<川を下る8>人生で初めて川のあるまちに住んだ。借りた
事の起こらなさ具合が好みであります。と思うとともに、クマの部分をそこまで強調しないほうが淡々としていて、より気持ちよく読めたかなという至極個人的感想。ちょっ読者を引っ張ってみたものの「結論からいうと何もなかった」で、無音のひたひた感がよく出てきている気がする。

<川を下る9>そんなことする必要があるのかと訊かれても、
川上とか川下とか上とか下とかの羅列で、これらの字が並ぶととくに目が散るなという思いがけない発見をしました。カワシタなのかカワシモなのか問題でつまづいたのは私だけでしょうか。物語界隈で無意味を求めるのはマイナなイメージですが、下りたいという気持ちがあるのはポジティブでもありますね。

<川を下る13>大人達が材木を筏に組むところを眺めて
笹で船団をつくったところに感心してしまい、どれくらいの船団だったろうか、そればかり気になります。最後が意味深な雰囲気だけれど、予兆は感じられないのできっと何もないんだろうと思いつつ、筏乗りというワードがやけにかっこよく感じてしまう、筏と遠き私の人生。


以上でした。ではまた次回。

【選評】川を下る - 空虹桜 URL

2020/08/02 (Sun) 11:39:40

いつもここの枕は読者として書いてるつもりなのだけど、
今回は作者として。

あまりにこのタイトルがタイムリィ過ぎて、
無邪気に川の話を書くのは抵抗がありました。
物語の中では、すこしぐらい自然に抗する力を持てたら。

暗渠の話が無かったから、暗渠書けば良かったなぁ・・・
あと、ポロロッカ。

○<川を下る6>
> いつから船にい
そういえば、きちんと川船に乗ったことないなぁ・・・
カヌーやボートはあるんだけど。
それはともかく、そこはかとない船上都市憧れはあります。
ええ。
東南アジアな。
この話自体はインドっぽい気がするけど。
蚊が凄いんだろうなぁ・・・
カットオフで終わる感じが好ましい。

○<川を下る11>
>歩いたり本を読んだり考
三重にも銚子があるんだ!知らなかった。
知らないことに出くわせたら、
それだけでもう読書経験としては十分儲けもの。
超短編にしては説明しすぎだけれど、
汽水に言及してるのはこれだけだし、
調べたら「ゆらゆら帯」だって!
なんて声に出したい日本語!!!

△<川を下る10>
> 三途の川を、渡
舟なのに船頭とは、これいかに?(待て)
方舟は海に出るんだから、
どっちかっていうと方船のが正しそうだよね(だから待て)
そうか、舟が改宗したらサーフボードになるのか!

△<川を下る12>
> 電車で川を下る。川の真
シネフィルでないから、白黒喜劇というと、
バスター・キートンかチャップリンぐらいしか知らないんだけど、
リアルとファンタジーの境界みたいな話だなぁと。
なにせ川の真ん中に線路!
見栄えが良いというか、立ち姿が綺麗というか。
タイトルは消化しただけで、書きたいことが別な話に読めるんだけど、
映画ネタでなにか表現してるのかしら?

×<川を下る9>
> そんなことする必
うん。一義的には、脳には理解が必要かららしいけど、
アタシは自分の悦楽のために意味を探すよ。
だって、物語書く人なんだもの。
無意味な世界で川を下っても、その行為に意味は生じる。

<川を下る1>
>長く長くのびるビ
あ〜あ、好き嫌いだと好きなんだけど、
これが川か?
と問われると川じゃないかな。
流れだけでは川じゃないんだよなぁ。
タモリじゃないけど高低差が欲しい。

<川を下る2>
>「…えっと、ど
川の比喩でオーケストラは妙手に見えるんだけど、
湿原の登場が上流過ぎる印象。
湿原ってことは基本平地だからなぁ・・・
雨竜沼は高地だけど、釧路やウトナイ湖とか・・・
あっ、でも、関東の人だったら奥日光とか尾瀬か・・・
やっぱり、三日月湖は平地だな・・・

<川を下る3>
> なんだ、この大きなうねりは。濁
終わりがなんだか90年代テイストというか、渡辺浩弐っぽい。
読んでて思い出したけど、
「もがく」って「藻掻く」書くじゃないですか。
当て字だろうけど、藻を掻く空しさがジャストだなぁと。

<川を下る4>
> こちらから出
なんで句点無いんだろ?読み取れない・・・
三行作品だったので、思わず、川の字になってるかと思いました。
つか、その手があったか・・・

<川を下る5>
> 昔から山の手には金
言ってやろうと肩回し息巻いてるけど、
実際出てきた言葉はありふれてるっていう、
ある種、井の中の蛙。ゲロゲロ。
韻踏むならちゃんと分で欲しいし、タイムリィ過ぎるきらいも。

<川を下る7>
> 私の生業は苗
一級河川でも、何処かの支流だったりするから、川は侮れないよね!
さて、佐藤や鈴木をどう占うんでしょうか?(野暮)

<川を下る8>
>人生で初めて川のあるまちに住んだ。借りた部
いや、今年はとくに羆出てるんですよ。ウチの田舎の方。
しかも、猟友会が発砲許可で裁判してるもんだから、
罠しか仕掛けられないっていう。
ちょっとしたローカルニュースでTV出まくり。
しかもその人が高校の同級生の父親とかね。
って、そうじゃなく、熊だけじゃなくて鹿も出ますよ。
猪はいないんです。猿も。
そのかわり狐がいっぱい・・・(なんの話だ)

<川を下る13>
> 大人達が材木を筏に組むところを眺
木流しに飯場!
山の民としてはそれだけでウキャウキャするんです。するんです。
脳内亭さんも触れてるけど、
「カンザシ」だけがカタカナなところの意図が読み取れず。
何気に母親独占欲の話と読んだので、見た目のわりに童話チック。

<川を下る14>
>「いつか書きたいと思
それは売れないなぁ・・・
人工河川の話はこれだけかな?
って、そうか。神田川も人工か・・・

【選評】川を下る - 脳内亭

2020/07/29 (Wed) 23:53:30

 コンバンハ、脳内亭です。
 タイトルを選んだ時点では、まさかこんな全国的に水害に見舞われることになろうとはおもいもよらず、間が悪かったかなと少々複雑な気持ちでおります。被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

 では、気を取り直して選評です。作品数が一桁台からすこし持ちなおしてホッとしています。桃太郎ネタはあるだろうなとおもってましたが、はてさて。よろしく願います。

 

○川を下る4
> こちらから出向かなければできないという思惑の外

 桃太郎ネタですけども、レコードの針飛びというかスクラッチというかなループ感が気持ちわるくて面白かったです。


○川を下る5
> 昔から山の手には金持ちが住む。

 間が悪いタイトルを選んでしまったなという想いはあれども、それでも今このタイトルでこのタイミングだからこそ書き得たであろうこの作品を評価することには意味があるのではないかと。


△川を下る13
> 大人達が材木を筏に組むところを眺めている。

 「筏」だの「湊」だの「杣人」だのと通常なかなか使わない漢字がゴロゴロ出てくるのに、カンザシは「簪」ではなくカタカナであることにはどういう意図があるのだろう、と想いを巡らせているところです。 


×川を下る6
> いつから船にいるかなんて知らない。

 ここでの船は海上に浮かんでいるものだと読めるんですが、その海面に下ろした遺体が、海から川へ「下る」となっている。どういう意図と必然があってそうしたのかなと、首を傾げて考えているところです。



 以上でっす。
 今回は、よくもわるくもどこかしらに異和を覚えるものに票を投じた気がします。
 では、脳内亭でした。

【評】お返事できずすみません - なな

2020/07/24 (Fri) 20:08:28

選はなしで評だけさせていただきます。


お返事できずすみません1
>数日前から空間にノイズが混じると知ってはいたが、
面白かったです。浪漫。
科学者はロマンチストな面を持っていないと続けられないのかな、みたいなことを思いました。


お返事できずすみません2
>いや本当にスマホは通じないし、
最初は強気なのにだんだん弱気になってボロが出てくる感じ、良かったです。
もっと盛大な言い訳が出てきたら余白を想像して楽しめたような気がします。


お返事できずすみません3
>生きる屍(ありていにいえばゾンビ)と
突然のゾンビ化という非日常ですが、すっと世界に入れました。
タイトルのような丁寧さというか慇懃さがない世界観と主人公だったところは気になりました。


お返事できずすみません4
>460億光年は遠くて。
直球! この短さであればもうひとひねり欲しい気がしました。


お返事できずすみません5
>「フッフー、今日は何の日?」
一番楽しい作品でした。
最後にタイトルそのままのセリフが聞こえてきそうです。
そしてこの後の展開が気になります……。


お返事できずすみません6
>どうも不発弾が出たらしいというので、
タイトルとの距離感が一番好きな作品でした。不発弾という物騒なところから、過去の手紙へ、どこか酔っ払っているような夢見心地のような。「不思議と敬語であったとのこと。」が好きです。


お返事できずすみません7
>素数ゼミが13年間隔でなく、
これ、蝉だとさすがにうるさくないですか?というツッコミを入れたい気持ちと、そのあり得なさを考えてしまう心情や距離感が面白い作品でした。


お返事できずすみません8
>混入があったようだ。
タイトルが弱いんじゃない?ってぐらい壮大すぎる理由でお返事できない状況というのが良かったです。「そんなこと言ってる場合じゃないよ!」って突っ込みたい気持ち。


お返事できずすみません9
>何度も着信音が鳴る。
「何度も〜鳴る。繰り返し鳴る。」が効いていて最初ホラー系かなと思いました。
死因ははっきり書かれていませんが、自分の思い通りに動かなくなっていく肉体、というところから高齢者の孤独死という捉え方もできるのかも?
「お返事できずすみません5」と似た構成というか逆側の視点のようにも読めて面白かったです。


以上です。

締め切りに間に合わないどころか次のタイトルが決まってからで、皆様の作品に「お返事できずすみません」という状態から「お返事が遅れてすみません」ぐらいまでなんとかこじつけたのではないかと。

【選評】お返事できずすみません - 永子

2020/06/20 (Sat) 22:15:13

締め切りに間に合わなくて投稿はできず、選評も大遅刻です(間に合わなかったら数に入れていただかなくてもかまいません)。申しわけありません。
ただ、このところ調子が悪かったのがやや復調してきたので、とりあえず書かせてください。

×お返事できずすみません8
>混入があったようだ。

他の方も書いてらっしゃいますが「全方向に沈んでいく」が圧倒的に良いです。
ただ後半、まさに自身の内側に沈んでいくような感じが、お題の、他者に、外側に向かう物言いとずれちゃったかなと感じました。


○お返事できずすみません9
>何度も着信音が鳴る。

孤独死ですね。しかもミイラ化するんじゃなく液状化する、他人に一番迷惑かけるやつ。
人間至る所に青山あり、ですが、マンションの一室なんかは人間(じんかん)ではないのかもしれません。
なんか、あーあ、すみません感が繰り返しの中に見える気がしました。
ラストは、つけるにしてもちょっと言いすぎかな。せめて、お題そのものではなく「申し訳ありません」くらいなら…どうなんだろう? やっぱり言い過ぎ?

○お返事できずすみません5
>「フッフー、今日は何の日?」

新鮮みはないかもですが、可愛いです。
弱いんです、こういうの。


お返事できずすみません6
>どうも不発弾が出たらしい

不発弾掘り起こしからタイムカプセルを連想させて、未来の自分(つまり今の自分)に向けて手紙を書いた「過去の自分」に対し、「お返事できずすみません」という話ですよね。
もう少しすっきり書かれていた方がいい気がしますが。そんなに過去の自分はうっとおしい?

【選評】お返事できずすみません - たなか

2020/06/20 (Sat) 00:30:29

たなかです。
私事で選評が遅れてしまいました。申し訳ないです。
あまりに遅くなってしまったので、どうしようかかなり迷っていたのですが、
ここのところ選評に参加できなさすぎなので、
今回に限っては遅刻に目を瞑りまくってでも評を出してしまったほうがいいだろうという、
勝手な判断で、遅きに失しましたが参加です。
長い評でもないのに時間がかかってしまい、大変すみませんでした。
選評です。


×お返事できずすみません2
>  いや本当にスマホは通じないし、ネットもダメだったしどうしようも無かったんで

タイトルにも合っているし、巧みにコンパクトにまとまっているし、
悪くない話だと思いました。ただ、ラストの飛び方がきちんとおさまりすぎていて、
最後まで読んだときの驚きがあまりなく、短さの効果も小さく感じました。逆選で。


○お返事できずすみません4
> 460億光年は遠くて。

460 億光年かー、という、驚きがまず最初。それから、確かに 460 億光年は遠いわー、
という納得。最後に、この 1 行だけでビシッと決まっている作品としてのあり方に感嘆。
今回いちばん最初に選を決めた作品でした。1 行なのに物語世界が広い。正選で。


△お返事できずすみません5
> 「フッフー、今日は何の日?」

フッフーの返答がなくなったことをどう捉えるかは、フッフーではなく、
使用者のほうであり、そこに読者が重なることが巧みに描写されていて、
面白いと思いました。ラスト 3 行は行間も含めて一考の余地があったかも。次点で。


△お返事できずすみません6
> どうも不発弾が出たらしいというので、旧校舎はにわかに騒がしくなった。と地元の

文章がとても面白くて読まされるなぁというのと、この感覚には覚えがありすぎる、
という共感との双方が想起してきて、読んでいるときの感覚がすごく良かったです。
もう一歩どこかに飛んでほしかったと思うのは好みの問題ですね、すみません。次点で。


○お返事できずすみません8
>  混入があったようだ。世界は変わった。ゼリーのような沼のようなである。言葉も

世界観自体と言葉の選び方にとても惹かれました。四散するのではなく
「全方向に沈んでいく」ところから骨抜きだったのですが、「新しい文法を作って」
「相殺しないと」言葉を送り出せないところから丁寧語になる違和感とか。正選で。

【選評】お返事できずすみません - まつじ

2020/06/16 (Tue) 17:35:57

選評できずすみません。とはなりませんでしたが、遅れてしまいすみません。
時勢柄、皆さま色々事情あることとは思います。たいせつなモノやコト、細くともつなげていければ嬉しいですね。
今回は作品数が少ないので、印もチョットにしてみます。

○<お返事できずすみません7>素数ゼミが13年間隔でなく、12年目の今年
素数のゼミナールかと思って、すぐに打ち消すことになりました。恥ずかしい。最後の一文が、さらっとしているようで、考えさせられます。よい旅なんかじゃ。に○


△<お返事できずすみません5>「フッフー、今日は何の日?」
フッフーが恋人だね、ではなかったところがポイントですね。ちょっと本気になっちゃったと思われるフッフーがややお気の毒です。無邪気の攻撃が、必殺の一撃。に△を。

×<お返事できずすみません8>混入があったようだ。世界は変わった。
全方向に沈んでいくって、面白いですね。よりゼリーっぽいバージョンも読んでみたいというか、すっきり読めてしまうのが勿体ないと感じました。ので、謹んで
×を。

<お返事できずすみません1>数日前からノイズ
SFのようだけれど、語り口が不思議な世界観ですね。こんなふうに、ないことにされていることも結構あるんでしょうね。

<お返事できずすみません2>いや本当にスマホは通じないし、
その筈、という記憶の曖昧さにだんだん不安になっていく感じにも読め、そうなってくるともうひとつ不可解さを煽る材料があれば…なんて欲張ってしまいました。

<お返事できずすみません3>生きる屍(ありていにいえばゾンビ)となってから三日が経つ。
ドラマがありますね、ゾンビイーター。人間を食べようと思わないのが自分だけなのかどうか、仲間増やしたいだけなのかなとも読めなくはない気がしたのです。

<お返事できずすみません4>460億光年は遠くて。
前回のタイトル「その瞬間」との繋がりとセットにも思えて、そうやって考えると面白いですね。短く潔いのに設定が伝わるのが、よかったです。

<お返事できずすみません6>どうも不発弾が出たらしいというので、
タイトルと不発弾との関連が分からない感はあるけれど、忘れられてしまったので気にすることでもないんでしょうか。一体おいくつの方なのかという語り口。

<お返事できずすみません9>何度も着信音が鳴る。繰り返し鳴る。
最後の一文の有無は好みで分かれるところでしょうか。定型を繰り返す形がうまく効いていると思いました。じきに扉が開きそうですね。

【選評】お返事できずすみません - 海音寺ジョー

2020/06/15 (Mon) 10:33:38

〇<お返事できずすみません5>
>「フッフー、今日は何の日?」

フッフーの着想が良かったです。フッフーの内心の澱みというのか、葛藤が最後、タイトルと合致して巧みだと思いました。

〇<お返事できずすみません6>
>どうも不発弾が出たらしいというので、

不発弾に対する、語り手主体の他人事感への強い共感、納得感がありました。つまらない解釈かもしれませんが・・・この不発弾が、いま世界中で蔓延してるウィルスの暗喩かも、と思いました。そう解釈すると、少し未来から、現在のことを望見してるような、そんな乾いた余韻を感じました。

△<お返事できずすみません1>
>数日前から空間にノイズが混じると知ってはいたが、

すみません、というネガティブなタイトルのニュアンスを打ち払ってしまう、ハードボイルド的な爽快さがありました。

△<お返事できずすみません3>
>生きる屍(ありていにいえばゾンビ)となってから三日が経つ。

ゾンビにも心があり、葛藤があるというのは辛いです。この物語を読了して、生きのびることの価値とは?とつい考えさせられてしまいました。

×<お返事できずすみません8>
>混入があったようだ。

自己は何処にいるのか?真ん中にいるのだろうか?全方向に沈んでいくという概念が、自分の想像力を凌駕し、圧倒されました。今回のタイトル選で一番先鋭的な作品だったと思います。「お返事できずずみません
」というタイトルのお返事との関係が掴みづらかったので、逆選でお願いします。


遅くなってしまいすみません、以上です。


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