500文字の心臓

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短さは蝶だ。短さは未来だ。

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【選評】鶏が先 - まつじ

2020/12/20 (Sun) 18:24:04

大変遅刻ですみませんが、選評を。選評をば。


◯<鶏が先7>首なしマイクは首を失くしたのが
首なしマイクがまずカッコいい。何故マイクだけが首がないようなのか、私には見当がつきませんが、余計な思考がないぶん、死を感じさせるぶんだけ、生を感じました。

△<鶏が先8>「それってまるで、鶏が先か、卵が――」
あれっ、桃太郎は鶏出てこないし、仮定の話でしか犬は先着してないし…。だけど鶏が云々の議論も肝心なとこが抜けてるという気がして、変に腑に落ちたのでしsた。

△<鶏が先6>「神託」が下った。
私的に面白かった「計算省」というフレーズの虜です。最後にバグが起きているようなのに、間もなく世界の崩れるような予兆が感ぜられました。

×<鶏が先11>だって、テレビを点けたらたまたまバラエティ番組で、
なるほどと感じるところはあるけれど、彼女の存在の曖昧さを字数をかけて描くなり、強烈なフレーズを放り込むかの不穏さが挿入されれば、印象がぐっと変わるのではないか、そんな予感がして、謹んで逆選票を投じます。

以下、選外評価ですーーー

<鶏が先1>「そのルールには、何かエビデンスって
食事に対しての熱量を感じさせる新入社員さん。読後の印象は「鶏が先じゃない」でしたが、このこだわりの理由が何に起因するのか大変気になったのでした。

<鶏が先2>かいていとしのまもりが
自分でもたまにやるんですが平仮名いっぺんとう句読点なし、読みづらさを超越する面白さの気配が要されますよね。かいていとしのまもりがみ、は気になるはじまり。

<鶏が先3>「あのさァ」
取るに足らない話といえば取るに足らない話ですが、鶏が云々などというのもそういった類のものなのかもしれないと思わされる父娘の会話でした。

<鶏が先4>だれが食べたの ケンタッキー
ふたフレーズで決着を着けようという気概がかっこいいと感じました。フライドチキン、久しく食べてないなあ。コマドリの持つ意味が気になるところ。

<鶏が先5>2は耽った。
ダジャレでもあり、文字の形で遊んでいるようでもあるけれど、難しいことが話されている気配もありますね。私もかつては0だったのかしらと考えてしまいます。

<鶏が先9>終着駅から乗り継ぐバスはなくなっていた。
現在と過去と現在を行き来していて滑らかな物語。地名ネタは考えてみましたが、こうは描けなかったなと思います。飛んで、やがて泳ぐことになるのでしょうか。

<鶏が先10>連中が大神に連なるとして、だからどうした。
猿の末裔とは勝負をつけなくてよいのかしらと一瞬考えてしまいました。そんなに犬ばかり。神とは鶏犬猿にも崇められるものなのかと、十二支の物語を聞くたび思います。


指先が冷える季節です。こんな夜は、水炊きなんか食べたい私です。

【選評】鶏が先 - 雪雪

2020/12/19 (Sat) 10:16:44

遅いですよね。ごめんなさい。

◎鶏が先5
> 2は耽った。
0はタマゴのタマ、あるいは形を。1はひよこのひ。ひい幼子みたいな。そして2は2はとり。
意識のない自分、自我以前の自分を、意識を対象化して意識を意識できるようになった鶏が追慕している。発達の過程に存在する、個人的なシンギュラリティ。越えようのないはずの境界を越境しようとする意志。
これには、濁流のようなノスタルジアを喚起された。

以下は私事なので、刺激がない場合は読み飛ばして下さい。
赤ん坊は、どんな世界に産まれてもよいように、万能の感性を備えている。
絶対音感を持ち、あらゆる言語の微妙な音韻を弁別する。外国人、そして動物の個体識別もできる。
けれど成長に従い、生まれ落ちた環境において重要度の低い能力は削除されていく。ニューロンが凄まじい勢いで死滅していくのだ。成長とは、繁茂ではなく剪定なのであり、有能化ではなく無能化なのである。

おさない頃、いくつも魔法の場所があった。そこへ行けばそこでしか起こらない感情が起こり、その感情でしか想えないことを想えた。場所ではなく、特定のシチュエーションや、微妙に調整された手順であることも。あるいはそれらの複合であることも。

あるとき、それらの感情の訪れがだんだん間遠になり、強度も衰えていることに気付いた。それらは特に僕を賢くしてくれる、得体の知れない謎めいた感情たちだった。
「ああこれか!」と腑に落ちた。大人たちが、鈍く、狭く、現実に過剰適応しているように見える理由が。大切なものを失い、失った記憶さえ失っているからだ。

「頭のよさとは感情のヴァリエーションである」と考えるようになったのはずっと後のことだが、おさない頃の僕は、否応なく衰微してゆく感情たちをたとえかけらなりとも残そうとして、戦略を練り独自のエクササイズを考案して飽くことなく繰り返した。過剰集中のあまり、たびたび低血糖になって失神した。

得体の知れない感情のわかりやすい例を挙げればゲシュタルト崩壊である。これは文字に関連して起こることが多いため、体験する人は完全に物心がついており記憶に残りやすい。
ゲシュタルト崩壊を感情と呼ぶのは正しい用法ではないだろうが、独特の情調を伴いその状態でしか想えないことを想わせてくれるあれは、僕にとって例の感情たちの同類なのだ。


×鶏が先11
> だって、テレビを点けたらたまたまバラエティ番組で、
理屈が大好きな僕は、翔び立つことを期待しましたが、あれだけ羽ばたいておいいて潜っちゃいましたね。

【選評】鶏が先 - はやかつ

2020/12/17 (Thu) 13:31:57

作品の投稿もできませんでしたし、選評する余裕もほとんどなかったんですが、ちょっと現実逃避しに来ました。堂々遅刻ですみません。あと読み違い読み飛ばしとかあったら本当にすみません。

鶏が先1
> 「そのルールには、何かエビデンスっていうか、根拠があるんですか」
仕事には情熱を傾けるに値する何かが欠けてるんです、多分。新人さんを大事に育ててあげてください。

鶏が先2
> かいていとしのまもりがみはししのおやこだったがそれはそれとして
読めなくて正解なのか、読めるはずなのかわかりませんが、読めませんでした…

鶏が先3
>「あのさァ」
さすがにまだお嬢さんの屁理屈は成長途中っぽいのがリアルかもしれませんが、落語調であれば敢えて唸らせる完成度がほしいところ。

鶏が先4
> だれが食べたの ケンタッキー
マザーグース? であれば、もう1連2行ほしいところ。

○鶏が先5
> 2は耽った。
2は鶏なのでしょう。実存的思索をめぐらす鶏。あの啼き声はその発露だったとは。

×鶏が先6
>「神託」が下った。
逆選か次点かで悩みましたが、このエンディングのインパクトは逆選にふさわしいかと。

鶏が先7
> 首なしマイクは首を失くしたのがいったいいつだったかをおもい出そうにも
補助線がもう1本ほしいかもしれません。直線的な感じ。マイクという名前にマイクロフォンの意味が重なって見えます、バンドだけに。

鶏が先8
>「それってまるで、鶏が先か、卵が――」
後半、矛盾というか、ちょっとよくわからなくなった…

○鶏が先9
> 終着駅から乗り継ぐバスはなくなっていた。
個人的にはもっと密度の濃い書き方が好きですが、そういうことをさて置いても物語のコアがしっかりずっしりしていて良かったです。空虹氏の「なりそこないの鳥」(2005年トーナメント)を思い出しました。飛べないはずという世間の烙印を跳ね返して、彼女は最後には飛んだんだと思いたいです。

鶏が先10
> 連中が大神に連なるとして、だからどうした。
鶏さん、えらい怒ってますけど、ちょっと引くかなあ…。でも共産党宣言みたいなノリで面白いです。

鶏が先11
> だって、テレビを点けたらたまたまバラエティ番組で、
こういう混乱した会話を延々続けていた時代もあったなあ…(遠い目)。

【選評】鶏が先 - 胡乱舎猫支店

2020/12/14 (Mon) 18:59:47

件名が無題になっていたので投稿し直しました。

遅くなりまして申し訳ありません。昨晩は寝落ちしてしまいました。

○鶏が先3

>「あのさァ」
年長か小学校低学年で色々言葉を覚えてきた娘と父と会話の真剣だけどうだうだしてる感がいいですね。ヒヨコに目を向けるところもなかなか。後お疲れ様です>母。

○鶏が先5

>2は耽った。

最初??だったのですがもしかしてこれは数字の形を使ったタイポグラフィではないかと思って俄然おもしろくなってきました。となると1はヒヨコですかね?

×鶏が先9
>終着駅から乗り継ぐバスはなくなっていた。

最後がちょっと弱いというか色々伏線っぽい情報が多いので本来ならある程度の長さの話の導入部となるところを終わらせてしまったような感じがするのと「にわとりがさき」を色々盛りこんだような感じで
「鶏が先」がちょっと弱くなってしまったかな?という気がするので個人基準で一番お題から遠いのではないかと感じました。申し訳ありません。逆選で。

以上です。

【選評】鶏が先 - 脳内亭

2020/12/13 (Sun) 23:50:36

 コンバンハ、脳内亭です。

 今年最後のタイトル競作となりますかね。今年もお世話になりました。来年はもすこし参加者が増えると良いなァ。
 では選評です。よろしく願います



◎鶏が先9
> 終着駅から乗り継ぐバスはなくなっていた。

 結末がすこし陳腐に感じられはするものの、物語性の強さを推してみます。彼女は故郷を愛していたのか憎んでいたのか、はてさて。 


×鶏が先1
>「そのルールには、何かエビデンスっていうか、根拠があるんですか」

 「もぐもぐ」というのはあくまで擬声語であって、実際にそう喋ることってまず無いとおもうんですよ。
 なので、会話文のなかに持ってこられると、ものすごく違和感があります。細かいかもしれないけど、やっぱり気になる。



 以上でっす。
 豚肉も牛肉も好きですが、鶏肉がいちばん好きです。唐揚げラブ。では、脳内亭でした。

【選評】鶏が先 - つとむュー

2020/12/13 (Sun) 23:36:16

「予想を超えた作品が」と言ってしまった手前、
全評するが望ましいような気もするのですが、
やっぱりとても苦手だったので、いつも通りで失礼いたします(すいません)。

〇<鶏が先1>
>「そのルールには、何かエビデンスっていうか、根拠があるんですか」
鶏もも照り焼きがあったら、やっぱり先に食べちゃいますね!
野菜が先、と言う新入社員との今後の展開が気になります。

〇<鶏が先9>
>終着駅から乗り継ぐバスはなくなっていた。
酉ヶ崎という地名に惹かれました。
ホロリとくるラストも印象的でした。

△<鶏が先3>
>「あのさァ」
ヒヨコが出てきたら適わないですね!(笑)
ほのぼのとしたラストが良かったです。

△<鶏が先10>
>連中が大神に連なるとして、だからどうした。
十二支ネタ、意外と多かったです。
犬に先輩風を吹かせる鶏が楽しかったです。

×<鶏が先7>
>首なしマイクは首を失くしたのがいったいいつだったか
完全に予想を超えた作品でした。
でも「鶏が先」にマッチしている感じがして、すごく不思議でした。
最も印象に残ったので、逆選にさせていただきました。

以上、よろしくお願いします。

【選評】鶏が先 - 海音寺ジョー

2020/12/13 (Sun) 14:39:32

○鶏が先5
>2は耽った。

考えに考えてることが序数、というのが何と言いますか、潔くて爽快感がありました。自我って何だろう?

○鶏が先8
>「それってまるで、鶏が先か、卵が――」

アツシと私のやり取りが、通学途中の気怠い感じを徐々に色鮮やかな感じに変えてゆくのが、とても良かったです。
 
△鶏が先7
>首なしマイクは首を失くしたのがいったいいつだったかを

首なしマイクの首が、この物語の進行中何を思ってたのかが気になりました。書いてないのですが、真夜中の神殿の風景が脳裏に浮かびました。ひた走るマイクに幸あれ。


△鶏が先6
>「神託」が下った。

未来における話だと想像したのですが、未来世界においても決着がつかない問題、かりそめの決定。精巧なドロイドの応対。何というか箱庭のような不確かさですが、でも不安定な地盤の上にしか我々は安住できないのかも、と最終的に思いました。

×鶏が先2
>かいていとしのまもりがみはししのおやこだったが

何度繰り返して読んでも読み解けなかったのですが・・・庭には二羽にわとりがいる、を敷衍させた前衛的試みかと推測しました。内容は良く分からなかったものの一番インパクトがあり、印象に残ったので敬意の逆選を。

鶏が先10
>連中が大神に連なるとして、

獣脚類という名称が、めっちゃ強そうで良かったです。読み終わって、勇ましい気持ちになりました。

以上です。よろしくお願いします。

【選評】鶏が先 - 磯村咲

2020/12/12 (Sat) 13:18:49

鶏はかっこいいのだと認識を新たにしました。そうなると「卵が先」だったらどのような作品が出揃ったのだろうかと、2度楽しんでいます。

〇<鶏が先5>
> 2は耽った。黙考、黙考、深く深く。然し、気付く、我を得るより前の事。

色々すごく感心して◎にしたかったのですが、評する側の力不足で鶏かっこいいとしか言葉にできず、<鶏が先10>と差をつけることが出来なくなって、票を分けさせてもらいました。


〇<鶏が先10>
> 連中が大神に連なるとして、だからどうした。猿との間を仲裁されなけれ

鶏かっこいい。


△<鶏が先6>
>「神託」が下った。何世紀にもわたる議論にやっと決着が着いた…と言うこと

色々入れ子になっていて面白かったです。AIが管理する社会になっても、理論とか納得とかの概念が生き延びていて、最後の1人が最後の1人用になった窓口でささやかな抵抗をするの、人間らしくて笑いました。


△<鶏が先7>
> 首なしマイクは首を失くしたのがいったいいつだったかをおもい出そうにも

首なしマイクかっこいい。


×<鶏が先4>
> だれが食べたの ケンタッキー

コマドリが殺されたのは、ケンタッキーを食べてしまったことで恨みを買ったからだった。つまりコマドリの死より、鶏の死が先ということですか。ここで名指されるコマドリに対して、ケンタッキーとしての鶏は匿名性が高すぎ、本歌取りで両者の死を並べるにはせめて韻を踏んで欲しかったです。

以上です。

【選評】鶏が先 - 空虹桜 URL

2020/12/06 (Sun) 21:38:44

主語しかないって、キャッチコピーっぽいなぁ。
って印象だったりするわけですが、
逆にいうと、それだけキャッチーなタイトルともいえるわけで、
キャッチーさに、どういうアプローチを取る作品が並んだか?
に興味があります。はてさて。

○<鶏が先1>
>「そのルールには、何
ずっと「エビデンス」はじめ、
わりとモダンなフレーバで塗しただけの話だなぁ。
もぐもぐ。
と思ってたんだけど、そうか。決定的におかしい。
別にこの物語がおかしいのではなく、ステレオタイプな理解がおかしい。
「正」を信仰しているクールタイプは、
情熱でこのように語ってるのではなく、
単に間違いを指摘しているだけなのだ。
しかも、ここでの「間違い」は
世間一般で言う「常識」の範囲内である。
彼を「情熱」と形容した瞬間に、
それこそ鳥のような無感情な目で見られるだろう主人公が哀れではある。

○<鶏が先5>
> 2は耽った。黙
駄洒落オチかよ!
しかし、なんとなく円城塔を読んでる時の難しいこと言ってるわりに、
この人、実は書いてることになんの興味も無くて、
出来上がりの構造というか造形・造作が
気に入ればOKなんだろうなぁ感があり、そこは好ましいかなぁと。
もちろん、そこはかとなく踏んでる脚韻も。

×<鶏が先9>
> 終着駅から乗り継ぐバ
あやうく物語に流されてしんみりしかけたけど、
ずっと飛ぶ話だったのに、最後泳ぐのね。
気付いたら、白けてしまいました。
無学なのでクイナという鳥を
知らなかった(北海道にいないよね?)のだけど、
>  その名に「鶏」の文字と「クイナ」という音とを有した彼女
ってことは、下の名前が水鶏か秧鶏か?
読めなひ・・・

【選評】パステルカラーの神様 - 海音寺ジョー

2020/10/06 (Tue) 08:36:53

毎度毎度遅くなってすみませんすみません、今回は神さまについて考えさせられた回でした。神さまが何者なのかいまだ全くわからないのに、ましてやパステルカラーの神様とは?


◯<パステルカラーの神様1>ぼくは神様に愛されている。
ぐいぐいと引き込まれる話でした。最後のヒントがよくわからなかったんですが、何度も繰り返し読むうちに気づきました。ヒント、ちゃうやん!よけいにわか
らんやん!降参です。

◯<パステルカラーの神様12>湖に行くと、女神様が現れた。
フォアゲットミーノットというパワーワードにやられました。色の名なんですね。調べて初めて知りました。色そのものに物語が内包してるように思え、色そのものが何かの暗号のように効果的に使われていて、何てことない正直な樵と傘地蔵のミックス寓話的な構造に、まるで洞窟の突端の壁がボカンと崩れ新たな空洞が広がっていくような不気味な余韻があり、すごいと思いました。

△パステルカラーの神様2
> 全知全能の神は、どうして人の目に映るご自身の姿をミントグリーンに
言ったもの勝ち、といいますか、語り手の前にいる人は確信をもって神はミントグリーンと断じてて、そのことを受け入れる優しさが良かったです。神様の宿る所、おらっしゃる場所は、案外近くなのか。

△<パステルカラーの神様4>わたしたちは生まれたときに神様
淡い色のもやもやの神様に包まれた、彼女は幸福なんだろうかと考えさせられました。無欲、無色になりきれない人間の欲望、希望を物語化したらこのようなお話になるのでは、と感じ超短編小説の可能性の一つを見た気がしました。

×パステルカラーの神様3
> 「八百万の国だば『クセンコムシ』おってもおがしぐねべよ」
カメ虫にはろくな思い出がないのですが、パステルカラーの神様というタイトルから、クセンコムシ(これは調べてカメムシと知りました)に発想を飛躍させる力技に参りました。この清々しいまでに強引で、ふてぶてしい神様のお話はぜひ逆選に推させて下さい。


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